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細井 卓治*; 大迫 桃恵*; Moges, K.*; 伊藤 滉二*; 木本 恒暢*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 15(6), p.061003_1 - 061003_5, 2022/06
被引用回数:2 パーセンタイル:34.67(Physics, Applied)SiO/SiC構造に対するNOアニールとCO雰囲気でのポスト窒化アニール(PNA)の組み合わせが、SiCベースの金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の高いチャネル移動度と優れた閾値電圧安定性を得るために有効であることを実証した。NOアニールにより取り込まれたSiO/SiC界面のSiO側のN原子が電荷捕獲サイトの起源と考えられるが、1300CのCO-PNAによりSiCを酸化することなくこれらの選択的除去が可能であることがわかった。また、CO-PNAにはSiO中の酸素空孔を補償する効果もあり、結果として正負の電圧温度ストレスに対する高い耐性が得られた。
中沼 貴澄*; 小林 拓真*; 細井 卓治*; 染谷 満*; 岡本 光央*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 15(4), p.041002_1 - 041002_4, 2022/04
被引用回数:6 パーセンタイル:48.5(Physics, Applied)NO窒化SiC(110)(a面)MOSデバイスのリーク電流およびフラットバンド電圧(VFB)安定性を系統的に調査した。NO窒化は界面特性改善に有効であるが、Fowler-Nordheim(F-N)電流の立ち上がり電界を1MVcm程度低下させ、顕著なリーク電流をもたらした。また、放射光X線光電子分光による測定の結果、窒化処理によってSiO/SiC界面の伝導帯オフセットが低減していることがわかり、リーク電流増大の起源が明らかになった。さらに、正および負バイアスストレス試験により、窒化a面MOSデバイスでは、電子および正孔注入に対してVFBが不安定であることが明確に示された。
角谷 正友*; 隅田 真人*; 津田 泰孝; 坂本 徹哉; Sang, L.*; 原田 善之*; 吉越 章隆
Science and Technology of Advanced Materials, 23(1), p.189 - 198, 2022/00
被引用回数:4 パーセンタイル:51.62(Materials Science, Multidisciplinary)GaNは、パワーエレクトロニクスデバイスとして注目される材料である。GaNの表面酸化の理解は、金属-酸化膜-半導体(MOS)デバイスを改善するために重要である。本研究では、GaNの結晶面(+c,-c,m-面)毎の酸化特性を、リアルタイムXPSとDFT-MDシミュレーションによって調べた。その結果、HOとGaN表面との間のスピン相互作用によりHO蒸気が最も高い反応性を示すことがわかった。m面では、化学吸着が支配的であった。本研究は、AlGaN原子層成膜時に意図しない酸化を防ぐために、HOおよびO以外の酸化剤ガスを使用する必要があることを示唆している。
吉越 章隆
放射光利用の手引き, p.130 - 138, 2019/02
次世代放射光利用に関する啓蒙書の分担執筆を行う。2018年出版の論文[Appl. Phys. Lett.112 (2018) 021603]の内容を解説するとともに、次世代放射光を光源とする光電子顕微鏡の発展と環境試料や絶縁性機能性材料分析への可能性を記述する。
銘苅 春隆*; 吉越 章隆; 中村 教泰*; 堂浦 智裕*; 玉野井 冬彦*
ACS Applied Nano Materials (Internet), 2(1), p.479 - 488, 2019/01
被引用回数:40 パーセンタイル:83.11(Nanoscience & Nanotechnology)シリカナノ粒子は、標的薬を可能にするためにドラッグデリバリーシステムとして魅力的である。リスクを最小限に抑えるために、理想的には、薬物送達後体内でナノ粒子が分解する必要がある。しかし、シリカナノ粒子の生分解に関する研究は十分でない。本研究では、X線光電子分光と電界放射型走査電子顕微鏡を用いて、細胞中に見られるペプチドであるグルタチオンによるシリカナノ粒子の分解を調べた。我々の結果は間接的にグルタチオンがナノ粒子中のジスルフィド結合の減少(ナノ粒子の解離)を引き起こすことを示した。解離したナノ粒子は、特定の条件下で大きな楓葉形状の構造物を形成する。これらの対称構造の形成機構を検討した。
小畠 雅明; 岡根 哲夫; 小林 啓介*
分光研究, 67(4), p.161 - 162, 2018/08
放射光施設で急速に導入・開発されている硬X線光電子分光法について紹介する。特に、絶縁体の硬X線光電子分光による電子状態分析を実現するために、開発した電荷中和法について技術開発のトピックスとして取り上げた。その一例として、福島第一原子力発電所事故を想定したセシウムの原子炉構造への吸着挙動について示した。最後に、硬X線光電子分光法の今後の展望について述べる。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA07_1 - 06KA07_6, 2018/06
被引用回数:6 パーセンタイル:30.01(Physics, Applied)高性能AlGaN/GaN-HFETの実現に絶縁膜/AlGaN界面制御が重要である。本研究ではAlGaN表面の熱酸化過程を調べるとともに、AlGaN/GaN MOSキャパシタの電気特性に関する表面酸化処理の効果ついて調べた。Si(111)基板上にAlGaN/GaN層をエピ成長した試料を用いた。AlGaN表面の酸化は400度の低温から進行することがわかった。しかしながら、表面形状の目立った変化は800度まで確認されなかったことから、AlGaN表面には極薄の酸化層が形成されていると考えられる。一方、850度以上では酸化物結晶粒の形成が観察され、その成長はAlGaN表面の平坦性を著しく低下させたことから、AlGaN/GaN MOSキャパシタは800度以下で酸化処理したAlGaN表面上に形成された。まず、反応性スパッタによりゲート絶縁膜としてAlON膜(18nm)を成膜した後、膜質改善のため窒素中で800度、3分間の熱処理を施した。そして、Al/TiオーミックコンタクトおよびNiゲート電極を蒸着してMOSキャパシタを作製した。先の研究成果から、我々は熱酸化を施していないAlON直接成膜の試料において、比較的に良好な界面特性が得られることを確認している。その容量-電圧(C-V)カーブと比べて、800度熱酸化した試料では、周波数分散の増加やC-Vカーブの傾きの減少が確認され、界面特性が劣化することがわかった。一方、400度で酸化処理した試料では、界面特性の更なる改善が確認され、ヒステリシスも減少することがわかった。
渡邉 健太*; 寺島 大貴*; 野崎 幹人*; 山田 高寛*; 中澤 敏志*; 石田 昌宏*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA03_1 - 06KA03_6, 2018/06
被引用回数:10 パーセンタイル:45.99(Physics, Applied)AlGaN/GaN MOS-HFETの高性能化・ノーマリオフ化には、高品質なゲート絶縁膜が必要である。これまで我々はAlOに窒素を添加したAlON膜がAlO膜よりも電子注入耐性および界面特性に優れることを明らかにしている。本研究では、その良好な界面特性を維持しつつ、更に絶縁性の向上を図るため、薄いAlON界面層上にバンドギャップの広いSiO膜を積層したSiO/AlON/AlGaN/GaN構造について検討した。その結果、AlON界面層の厚さが約3.3nmと薄い場合でも、SiO/AlON積層構造はAlON単層の場合と同等の容量-電圧特性を示し、良好な界面特性を示した。また、絶縁破壊電界はAlON単層と比べて2倍以上の約8MV/cmを示した。以上の結果は、SiO/AlON積層構造が優れた界面特性と絶縁特性を両立するGaN MOSデバイス向けゲート絶縁膜として有望であることを意味している。
野崎 幹人*; 渡邉 健太*; 山田 高寛*; Shih, H.-A.*; 中澤 敏志*; 按田 義治*; 上田 哲三*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 57(6S3), p.06KA02_1 - 06KA02_7, 2018/06
被引用回数:19 パーセンタイル:65.6(Physics, Applied)MOSゲート構造の採用によるAlGaN/GaN-HFETの高性能化のためにはリーク電流が少なく、かつ界面特性が良好なゲート絶縁膜が必要である。AlO膜は比較的高い誘電率と広いバンドギャップを持つことから有望視されているが、界面特性向上技術の開発や電子注入耐性の低さによる閾値電圧変動等の課題を抱えている。本研究ではALD法によるAlON成膜を検討した。MOSキャパシタのC-V特性には界面欠陥応答に起因する周波数分散がほとんど見られておらず、AlON/AlGaN界面が良好であることがわかる。AlON試料は同様にALD法で堆積したAlO MOSキャパシタよりもシフト量が少なく、電子注入耐性の向上も確認できた。これらの良好な特性は本研究のALD-AlON膜がGaN MOSデバイス向けのゲート絶縁膜として有望であることを示している。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 山田 永*; 高橋 言緒*; 清水 三聡*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
Applied Physics Express, 11(1), p.015701_1 - 015701_4, 2018/01
被引用回数:39 パーセンタイル:84.89(Physics, Applied)GaN MOSFETは高耐圧・大電流・低損失の次世代スイッチング素子として期待されている。その実現には絶縁膜/GaN界面の特性改善が課題である。本研究ではプラズマCVDによりSiO膜を形成したSiO/GaN構造の後酸化処理を行い、極薄GaO界面層の形成による界面特性向上の効果について検討した。放射光XPS分析から、SiO/GaN界面に極薄GaO界面層が形成されることを確認した。その界面欠陥密度は、700-800Cでの最適な後酸化処理を施すことによってコンダクタンスピークが確認されず、10cmeV台以下の低い値となった。一方、SiO/GaO/GaN構造の後酸化処理は、SiO層中へのGa拡散を誘発し、絶縁性を著しく劣化させた。そこで、後酸化時間を30分間から30秒間とする急速酸化処理を施した。その結果、SiO層中へのGa拡散が制限され、優れた界面特性と高い絶縁性を有する高品質なSiO/GaO/GaN MOS構造が実現できることがわかった。
吉越 章隆; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 下山 巖; 松村 大樹; 辻 卓也; 西畑 保雄; 小暮 敏博*; 大河内 拓雄*; 保井 晃*; et al.
Applied Physics Letters, 112(2), p.021603_1 - 021603_5, 2018/01
被引用回数:6 パーセンタイル:34.59(Physics, Applied)放射光光電子顕微鏡(SR-PEEM)を人工的にCs吸着したミクロンサイズの風化黒雲母微粒子のピンポイント分析に適用した。絶縁物にもかかわらず、チャージアップの影響無しに構成元素(Si, Al, Cs, Mg, Fe)の空間分布を観察できた。Csが粒子全体に分布することが分かった。Cs M吸収端近傍のピンポイントX線吸収分光(XAS)から、1価の陽イオン状態(Cs)であることがわかった。さらに、Fe L吸収端の測定から、Feの価数状態を決定した。我々の結果は、サンプルの伝導性に左右されること無く、SR-PEEMがさまざまな環境試料に対するピンポイント化学分析法として利用可能であることを示すものである。
寺内 正己*; 今園 孝志; 小池 雅人
表面科学, 36(4), p.184 - 188, 2015/04
バルク試料の状態分析を目的とし、汎用走査型電子顕微鏡(SEM)への回折格子を用いた軟X線発光分光装置(SXES)の導入を行った。この分光装置は、透過型電子顕微鏡(TEM)での軟X線分光において実績のある、不等間隔溝回折格子を用いた斜入射平面結像型分光光学系を有している。マグネシウムのL発光(50eV)において、透過型電子顕微鏡での高分解能電子エネルギー損失分光法のエネルギー分解能に匹敵する0.13eVが得られる。バルク試料からのMg-L, Si-L, B-K, Ti-L発光の測定において、固体のバンド構造の特徴を示すスペクトル測定に成功した。
村松 康司; 山下 満*; 元山 宗之*; 広瀬 美佳*; Denlinger, J. D.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
X-Ray Spectrometry, 34(6), p.509 - 513, 2005/11
被引用回数:1 パーセンタイル:5.68(Spectroscopy)軟X線分光法を用いて、いぶし瓦表面炭素膜の耐候性を調べた。軟X線吸収分光測定から、炭素膜の表面では酸化反応が進行し、この酸化状態は主としてカルボキシル基の形成で説明できた。軟X線発光分光測定から、数年程度の外部環境被爆では炭素膜内部の層構造は乱れないことがわかった。以上から、いぶし瓦の耐候性は自然酸化反応が炭素膜の表面から進行することで理解できた。
青柳 寿夫*; 北辻 章浩; 吉田 善行; 木原 壯林*
Analytica Chimica Acta, 538(1-2), p.283 - 289, 2005/05
被引用回数:15 パーセンタイル:41.62(Chemistry, Analytical)過塩素酸,硝酸及び硫酸溶液中の3, 4, 5及び6価ネプツニウムイオンの酸化還元挙動を、カラム電極を多段階に接続したフロー電解システムを用いて調べた。繊維状のグラッシーカーボンを作用極とするカラム電極を用いると、Np(III)/(IV)あるいはNp(V)/(VI)イオンの可逆な酸化還元のみならず、従来グラッシーカーボン電極や白金電極では観測できなかったNp(V)/(IV)あるいはNp(V)/(III)イオンの非可逆な酸化還元過程についても、電流-電位関係曲線を観測できることがわかった。カラム電極電解法によると、完全非可逆な酸化還元においてもクーロメトリックな電解を達成でき、溶液中のイオン濃度の定量が可能となる。取得したネプツニウムイオンのカラム電極電解データに基づき、種々の原子価のネプツニウムイオンを迅速に調製する方法を開発した。また、多段階フロー電解システムを用いた電量分析により、ネプツニウムイオンの原子価ごとの定量が可能であることを明らかにし、硝酸溶液中のネプツニウムイオンの定量分析に適用した。
村松 康司
リガクジャーナル, 36(1), p.35 - 42, 2005/04
いぶし瓦の品質管理・特性向上をはかるため、放射光軟X線分光法を用いて、いぶし瓦表面炭素膜の構造分析と風化による変色を解明した。構造分析の結果、表面炭素膜は配向性のあるカーボンブラック粒子と非配向性の粒子が半々の割合で混在することが明らかとなった。配向性粒子が瓦の光沢を生み、非配向性粒子が耐久性を生むと理解できた。風化による変色は酸化反応に起因し、酸化された表面炭素膜にはカルボキシル基が存在することがわかった。この酸化反応によって配向性粒子の割合が減少するために変色すると理解できた。ただし、8年程度の風化では、変色は起きるものの内部にいたる炭素膜全体の配向性はほとんど維持され、耐久性が保たれていることがわかった。
村松 康司
X線分析の進歩,36, p.47 - 62, 2005/03
放射光軟X線状態分析法として、吸収分光法,光電子分光法及び発光分光法の研究・技術動向を説明する。吸収分光法では、2keVを越える領域の測定,溶液試料の測定,光源の偏光制御を利用した新しい測定が可能になってきた。光電子分光法では、分解能(E/E)が10000を越える高分解能測定と、より高いエネルギーの放射光励起によるバルク敏感な測定がなされるようになってきた。発光分光法では、より高分解能な発光分光装置の開発が進み、溶液試料の測定も行われるようになってきた。また、実際の工業炭素材料を対象とした放射光軟X線状態分析例として、いぶし瓦表面炭素膜の化学状態分析とホウ素ドープダイヤモンドの電子状態分析を説明する。
Billard, I.*; Ansoborlo, E.*; Apperson, K.*; Arpigny, S.*; Azenha, M.-E.*; Birch, D.*; Bros, P.*; Burrows, H. D.*; Choppin, G. R.*; Couston, L.*; et al.
Applied Spectroscopy, 57(8), p.1027 - 1038, 2003/08
被引用回数:50 パーセンタイル:88.23(Instruments & Instrumentation)時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)のウラン(VI)水溶液分析への応用に関して、13の独立した研究所において異なる装置及び解析方法による共同測定(ラウンドロビンテスト)を実施した。適切な状態図に基づいて調製した測定試料は、少なくとも6か月間は化学的に安定であった。4つの異なるタイプのウラン(VI)水溶液:UOだけを含む酸溶液,フッ素イオンを含む溶液,硫酸イオンを含む溶液、及び種々の加水分解種を含む溶液について、各研究所で測定した蛍光スペクトルの波長,蛍光寿命及び蛍光成分数の結果を比較した。また、幾つかの研究所で測定されたデータは異なるソフトウェアにより解析された。これらの研究に基づいて、水溶液中のウラン(VI)の状態分析におけるTRLFSの実用性について議論した。
松江 秀明
ぶんせき, 2002(11), P. 645, 2002/11
多くの中・重元素は、熱外中性子エネルギー領域に原子核固有の大きな中性子共鳴吸収をもつ。加速器によって発生するパルス中性子ビームを利用し、中性子の飛行時間(TOF)と即発線測定を組み合わせることによって、この共鳴吸収を利用した元素あるいは同位体分析が可能である。近年、このような試みがベルギー・ギールの欧州連合共同研究センターのGELINA実験施設及び日本の高エネルギー加速器研究機構の中性子科学研究施設で行われ、研究論文として報告された。本発表はこれらの研究論文の概要を日本分析化学会の学会誌である「ぶんせき」のトピックス欄において紹介するものである。
北村 暁; 岡崎 充宏*
JNC TN8400 2001-009, 54 Pages, 2001/01
分光光度計およびレーザー誘起光音響分光装置の検出感度に関する性能調査を目的として、ネオジム(III)およびサマリウム(III)の吸収スペクトル測定および光音響スペクトル測定を行った。ネオジムもしくはサマリウムの濃度を210-5210-2mol-dm-3の間で変化させ、それぞれの濃度における吸収スペクトルおよび光音響スペクトルを取得した。併せて、雰囲気制御グローブボックス内で吸光測定を行うことができる分光光度計についても同様の測定を行い、吸収スペクトルを取得した。比較のために、光路長を1cmおよび10cmに設定した一般的な分光光度計を用いて、同様の測定を行った。多くの文献では、光音響測定は吸光測定に比べ大幅に低い濃度まで測定できると報告されているが、本光音響分光装置においては光路長を10cmに設定した吸光測定と同程度であるという結果が得られた。また、本実験の結果から、将来の目的としているネプツニウム(IV,V)の検出感度について推定し、特にNp(IV)溶存化学種のスペシエーションの可能性を検討した。
佐々木 祐二
Superconductors, Surfaces and Superlattices (Trans. of Materials Research Soc. Jpn., Vol. 19A), 0, p.301 - 304, 1994/00
酸化物超伝導物質中に含まれる、高酸化状態のイオン、CuO、又は低酸化状態のイオン、Cu、の分布状態の測定に関する湿式化学分析法が開発された。その手順は溶液を流しながら、試料ペレットを溶解する事、及び2段カラム電極による溶解液中の異なる酸化状態の銅のクーロメトリー定量などから成るものである。この方法をLaSrCuOy、YBaCuOz超伝導試料ペレットの分析に適用した。これら試料中のCuO/Cu total比は表面からおよそ200mの表面領域中で徐々に増加し、一方Z6.5のYBaCuOz試料中のCu/Cu total比はほぼ均一であった。